ポプラ社 旧「少年探偵」シリーズ 全46巻


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                                              尖端猟奇大パノラマ
巻数 題名 併録作品 原題 青字:光文社版  巻末広告
黒字:ポプラ社版 巻末広告
赤字:私の説明
発表順
1 怪人二十面相 . . 変幻自在の恐ろしい怪人二十面相が、はじめてこの物語にぶきみな姿を現わす。 1
2 妖怪博士 . . 「おれのかたきうちはこれからだ!」
ほら穴にひびく大コウモリの声……
3
3 少年探偵団 . . 東京中を恐れさせた黒い魔物をむこうにまわして、勇敢な少年探偵団の活躍!
自分の影が動かない?! あっ、影が笑った。謎の黒ん坊だっ。インド人もびっくり!
2
4 青銅の魔人 . . 全身金属の怪物が、ぎこちない歩きかたで小林少年にむかって近づいてきた……
チンピラ別働隊の初登場。戦災孤児、復員兵など、戦後間もない頃の背景が、色濃く残っている作品。
5
5 大金塊 . . 奇怪な暗号にひきよせられてやってきた離れ小島の地の底から聞こえるのは?
痛快無類の冒険談。大人が読んでも充分に楽しめる大傑作。 「孤島の鬼」を思わせる。怪賊の首領は、いったい何者?
二十面相は登場しない。
4
6 透明怪人 . . からだが消えて洋服だけが歩く透明怪人とはいったいなにものでしょうか? 7
7 怪奇四十面相 . . 黄金どくろの秘密をあばくために、脱獄すると宣言する不敵な怪人四十面相
しじゅうめんそう(四十面相)と読む。
8
8 地底の魔術王 . 虎の牙 宙にまいあがった少年は、ウォーッと猛獣の声をのこして消えてしまった! 魔法博士の登場 6
9 電人M . . 顔は、まるいプラスチックで、人間の三倍もあり、すきとおって見えるのです。その中には、へんてこな機械のようなものばかりで、目も鼻も口もありません。
敷地一万平方メートルもある「人工月世界」の見世物を造り、そこをアジトにしてしまう、二十面相のスケールの大きさは、ただものではない!
25
10 宇宙怪人 . . 少年につめよる銅仮面のまっ黒な三日月型の口が耳までさけてニヤリと笑った! 9
11 奇面城の秘密 . . 美術室の石膏像が、こわれたかと思うと、あっ、中から黒い怪人があらわれた!
チンピラ隊のポケット小僧が大活躍。二十面相に、愛人のように付き添っていた真珠の首飾りをした美しい女性は、いったい何者だったのだろう。
夫婦の虎は、本当に毒殺されてしまったのだろうか。だとしたら、あまりにも可哀想。明智は「眠らせた」と言っていたが……
20
12 黄金豹 . . 金色にかがやくふしぎな豹が、東京にあらわれる。人々はもう眠ることもできない!
ネコじいさんなる人物が登場し、さらに猫やしきと言う西洋館には、ネコ夫人、ネコむすめという謎のキャラクターが住んでいた。
14
13 サーカスの怪人 . . サーカス団をねらう怪人、目がまっ黒な大きな穴になっている骸骨紳士の正体は
怪人二十面相の本名、正体が証される?
17
14 夜光人間 . . 全身が光かがやく怪人のからだが、とつぜんスーッと地面をはなれて空中に……
チンピラ別働隊と少女探偵花崎マユミの活躍
20
15 塔上の奇術師 . . なにげなく時計塔を見あげた少女の目にうつったのは、巨大なコウモリ男だ……
二人の少女探偵助手が登場する。二十面相が、コウモリ男、道化師、お化けと、目まぐるしく衣裳替えをする。
20
16 仮面の恐怖王 . . 黄金の魔術師、黄金仮面の怪人は、ついに東京の映画館にもあらわれたのです。スクリーンいっぱいに仮面があらわれたと思うと、その三日月型の口からぶきみな血が流れだしました。もう見物人は逃げまどうばかりでしたが、そのときわれらの少年探偵団員は……。
小林少年が、瀕死の二十面相を助ける場面がある。それにしても、冒頭の蝋人形館の女館長は、いったい何者だったのか。
24
17 鉄人Q . . ふしぎなロボット、鉄の怪人Q。それは、歩いたりものをいったりするほかに、算数までできるのです。顔には絵の具をぬって、本当の人間とまるで見分けがつきません。ところがこの鉄人Qがふたりあらわれたのです。さあ、たいへん! だれかが鉄人に化けているのです。
鉄人Qが一人の少女と出会う所までは、「フランケンシュタインの怪物」の物語を連想させる。
お化け屋敷に住む、”少女の一つ目小僧”という発想には、向かうところ敵なし! 「仮面の恐怖王」で得た軍資金で少年探偵団はパワーアップし、その威力が発揮する。
23
18 魔法博士 . . 魔法博士とは、一体何者? 魔法博士のアジトには、「胎内くぐり」という大仕掛けがあった。 14
19 灰色の巨人 . . サーカス団の少女、一寸法師、そして大きな男。奇怪、奇怪。「灰色の巨人」とは、この謎のサーカス団の一味の大男のことなのか? それとも何か別のものを指すのだろうか。 11
20 魔人ゴング . 妖人ゴング ニコライ堂の鐘の音にしては、どうも変だ! 妖しげなゴングが、東京の夜空に鳴り響く。
小林君、絶体絶命! 女装などやっている場合ではないぞ!
17
21 海底の魔術師 . . リンのように青く光る目、耳までさけた口、ニューッとつき出た牙…鉄のすれあうようなぶきみな声、世にもおそろしい「海底の魔人」はついに、日本に上陸し、東京にその姿をあらわしました。ここに、明智探偵、小林少年と魔人との海陸にわたる大闘争は開始されました。
敵は魚形潜航艇で攻撃をしかけてきた。目には目を!手段を選ばぬ明智は、ついに味方の潜航艇を出陣させた! もはや少年探偵シリーズを超越した、金塊獲得をめぐる大海戦!
11
22 空飛ぶ二十面相 天空の魔人 妖星人R 空飛ぶ二十面相(妖星人R)/部屋のかべが、ゆらゆらと動いているのです。R怪人の魔法にかかっているのでしょうか? いや、目を近づけてよく見ると、そうではありません。なにか小さなものが、数しれずひしめきあっているのです。「あっ、カニだっ」井上君はさけびました。 27
天空の魔人/巨人の腕が空から現れて、大きな貨物列車をつかみあげた! 二十面相は登場しない 16
23 悪魔人形 . 魔法人形 シリーズ中の傑作。
少女探偵花崎マユミの大冒険。
狙われるのは、人形好きな女の子ばかり。不思議な地下のジャングル世界は、必読の価値あり。
17
24 鉄塔王国の恐怖 . 鉄塔の怪人 血迷ったか二十面相! 人間カブト虫の王国を造って、いったいどうしようって言うんだ。 10
25 黄金の怪獣 . 超人ニコラ スーパーマン登場! ニコラ博士とは、発明王ニコラ・テスラがモデルなのか?
ああ、残酷!小林少年が、人間の目玉をくり抜いてしまう。
素敵、素敵!気ちがい一寸法師のひとりダンス。「ボーイ、ボーイはいないのか」
「猟奇の果」でも登場した、人間改造術がテーマ。江戸川乱歩、最後の創作小説。
28
26 二十面相の呪い 黄金の虎 おれは二十面相だ 二十面相の呪い/密室から人が消えた!? 世界にたった一つの古代エジプトの巻物が狙われる。あっ!真っ黒い手がにゅうっと現れました。XXXXXって、そんな描写の仕方ありなの? 26
探偵少年 黄金の虎/魔法博士の登場。魔法博士の私有財産?であった「黄金のトラ」をめぐる、魔法博士と少年探偵団の争奪ごっこ。魔法博士は、最後まで正体を明かさない。 13
巻数 題名
(これより以下は、代作。
乱歩オリジナルの少年探偵シリーズではない)
併録 大人向けオリジナル
での題名
. .
27 黄金仮面 . . . オリジナルの少年探偵とは無関係の為、省略
28 呪いの指紋 . 悪魔の紋章 .
29 魔術師 . . .
30 大暗室 . . この作品を最期に、二十面相の姿が完全に消える。もちろん、オリジナルでは二十面相は登場しない
31 赤い妖虫 . 妖虫 .
32 地獄の仮面 . 吸血鬼 .
33 黒い魔女 . 黒蜥蜴 .
34 緑衣の鬼 . . .
35 地獄の道化師 心理試験 . .
36 影男 . . .
37 暗黒星 二銭銅貨 . 二銭銅貨/<この物語は、名探偵明智小五郎が、まだ学生だった頃のお話しである。>
こんな書き出しで始まっている。オリジナルの「二銭銅貨」では、明智小五郎は登場しない。
38 白い羽根の謎 . 化人幻戯 .
39 死の十字路 . 十字路 .
40 恐怖の魔人王 黒手組 恐怖王 .
41 一寸法師 . . .
42 蜘蛛男 . . .
43 幽鬼の塔 . . .
44 人間豹 . . 確かに、今にして思えば、この作品は少年向けにはキツかったかも知れない。
45 時計塔の秘密 . 幽霊塔 .
46 三角館の恐怖 . . .

余談:さすがに「盲獣」を少年向けに書き直そうとは、しなかったようです。

「少年探偵」シリーズの想い出

 古くは30年以上も前に読んだものがあるので、それらの詳しい内容は忘れてしまいました。たいていは、小学校の図書室で読んだものです。
 同じポプラ社の、コナン・ドイルの「名探偵ホームズ」シリーズや、モーリス・ルブランの「怪盗アルセーヌ・ルパン」シリーズなども、よく読んでました。そのころは、(昭和43〜48年頃)小学校での読み物と言えば、この3つくらいでした。
 じつは小学生の頃は、どちらかと言えば「名探偵ホームズ」シリーズの方に夢中になっていました。
 江戸川乱歩を本当に好きになったのは、「少年探偵」シリーズではなく、青年物の小説を読みはじめてからでした。
 しかしながら、年々、時が経つにつれて、「少年探偵」シリーズの良さが分かってくるようになりました。懐かしさもあって、大人になってから読んだものも何編かあります。
 カーナビゲーションや携帯電話が普及した現代からすれば、小林少年が敵の車にコールタールの容器を取り付けたり(ちょっとずつ、コールタールを滴らせて、あとでその臭いの跡を犬に追わせるもの)また、敵のアジトから必死の思いで伝書鳩を飛ばしたりなど、まさに愚の骨頂であるかも知れません。
 ところが、そんな大時代の素朴さこそを、どうにもたまらなく、大事にしたい気がしてくるのです。
 どれだけ荒唐無稽な話でも、江戸川乱歩の作品には、どこかほのぼのとした夢があり、ついついページをめくってしまわせる力があります。紙芝居のおじさんのように、読者に優しく語ってくれるのです。
 「少年探偵」シリーズは、乱歩にしか書き得なかった少年向読物の金字塔なのです。

NHK「明智探偵事務所」の想い出

 一昔前(昭和47年頃?)、ポプラ社の「少年探偵」シリーズの本の帯カバーには、”「明智探偵事務所」NHKにて放送中” などと書かれた宣伝が、明智小五郎に扮した夏木陽介さんの写真と共に載っていました。
 私が最初に見た明智小五郎のドラマが、このNHKの「明智探偵事務所」でした。怪人二十面相役は、米倉斉加年さんでした。
 ドラマの内容は、あまりはっきりとは覚えていないのですが、主に青年向けの小説が元になっていたと思います。
 まだ少年探偵シリーズしか知らなかった私には、何かしら空恐ろしい、それでいてどこかで憧れに似たものを感じていました。
 明智小五郎がピアノからヘアピンを見つけ出したり(見つけ方が恐かったのです)、男たちが巫女の前で跪いていたり、今思えば何でもないシーンだったかも知れませんが、言いしれぬ恐怖と陶酔を覚えたものです。




ポプラ社版、背表紙の変遷
(昭和28年〜) (昭和四十年代〜平成九年頃) 現在
「日本名探偵文庫」
「名探偵明智小五郎文庫」
などと、目まぐるしく装丁が変わる。
武田武彦・氷川瓏の代作により、大人向けの小説(上記表中の27巻以下に相当)が少年向けに書き替えられていく。

現在のポプラ社「少年探偵」シリーズの特徴


参考文献