菅笠(すげがさ)


笠(かさ)は雨や雪、直射日光を防ぐために頭に被る道具です。

材質は檜板・竹・藺草製で、塗笠は、檜や杉の板材を薄く剥いだ「へぎ板」に和紙を貼って漆を塗って作成した物で、
平安時代末期には主に老女が使用し、江戸時代初期には若い女性が使用したようです。

一方、陣笠は、竹で網代を組んで和紙を貼り、墨で染めて柿渋を塗って作成した物です。おもに僧侶が着用したよう。

現在、伝統工芸として保存に取り組んでいるところもあるようです。

笠の製品の種類   http://www.jumonji.net/we-jumonji/12-bunkazai/kangasa-1.html

 秋田県十文字町仁井田のサイトです。笠作りが伝統。そのサイトにUPされている笠の種類です。

菅笠の種類と特徴
■伝統的な菅笠
  1、ツノ笠(角笠、トンガリ笠ともいう)
菅笠のうちで、最も原始的な形の素朴な笠で、山田の案山子などには、この笠でなければ似合わない。
天辺から軒に一直線で、従って笠骨も、ためす(たわめる)必要がなく他のものより簡単である。名前はこの形から来たもの。おもに農作業に用いられて来たもので、そのため破損し易い上部の中心とへり(軒)に、白木綿でてっぺんつぎとへりつぎをつけて補強している。
笠の使用も地域性があって、この型の笠は、当町でも植田・睦合方面で使われているようである。大きさは尺六寸から尺八寸まである。
  2、オオノ笠(大野笠、タメシ笠ともいう)
この笠は、骨が直線的でなく、笠骨をいろりのほど灰(熱い灰)かコンロで温めて、ぬれぞうきんをまいてたわめ、湾曲して作るので、そのことからタメシ笠の名となったわけである。
前記のツノ笠より骨折りに技術を要し、形もやさがたである。
用途やつぎつけ(白木綿)のことは、ツノ笠と同様である。
当仁井川周辺では、この大野笠をもっぱら使い、ツノ笠は用いない。
  3、特大オオノ笠(大物タメシ笠)
これは、作り方は前記大野笠とそっくり同様であるが、普通の大野は直径一尺六寸から一尺八寸位までのところ、この特大型は径ニ尺二寸からニ尺五寸もあり、菅笠としては最大のもので、子どもがかぶると、笠の化け物に見える。
さて、これはどんな時に使ったものだろうか、一例をいうと、雨の降る時でも、忙しい嫁たちが幼児を負って、かどぜきで洗い物したりする時 などであった。普通の笠では、しゃがみこめば背中の子どもに雨があたるし、傘では両手が使えなかったからである。雨の日の魚釣りにも使ったというが、風が強かったら大変だったと思う。加藤製材所からこの笠を頼まれたことがある。これは雨の時、材木を手帳に控える際にかぶるためであった。
  4、カバ笠(樺笠)
型は大野笠と似ているが、径一尺三寸程の小ぶりで、白布はつけず、てっぺんに、樺皮を短冊に切って花弁のように糸で縫いつける。これは他の笠のように、菅でボンボリをつけるより、ちぎれ落ちないで丈夫である。それで近年は他の種類の笠にも菅のボンボリの代りに樺をつけることが多くなった。
この笠は、当地方ではあまり使われず、本荘地方や北海道方面に向き、漁師に多く使われたようである。
  5、クマガイ笠(熊谷笠)
この笠は、歴史的にも古い笠で、かみがたの方ではお伊勢参りには必ずこの笠を用いたとの、由緒あるもので、当地でも、大正年間には縫われたものだが、その後はとだえてしまった。  いま八十才以上のおばあさん達の話では、今日のマンジュウ笠のやや大きめのものであったという。
  6、エド笠(江戸笠)
この笠は、現在のツマオリ笠の少し深いもので、道中笠であったようだが、前記のクマガイ笠同様今では作り手がなく幻の笠となってしまった。
  7、イチモンジ笠(一文字笠)
一般の笠は必ず中心部が盛れているが、この笠だけは、まっ平である。
これは、湯沢の大名行列に用いるもので、以前に注文の時の見本は、当仁井田笠の古いもので、径が一尺八寸もあったが今は一尺五寸五分である。
  8、ツマオリ笠(褄折笠)
この笠は、軒より二寸五分位のところで急に湾曲し上部は平であり、江戸笠より少し浅く直径は、大型で一尺五寸五分、小型は一尺三寸位である。用途は、小型のものは、昔は、婚礼の際、箪笥・長持引きがかぶり、力杖をついて使用したもので、今も増田町のお御輿行列の時に使われ、湯沢の大名行列には大型も小型も用いられる。
    9、ダミ笠(荼毘笠)
これは、径一尺四寸位の大野笠型のもの。葬式の時冥土の旅のため棺箱に添えるもので、近年はあまり用いられなくなった。
■戦後作られ始めた菅笠
以下は、戦後、笠の本場であり当仁井田笠の本家筋の富山(加賀)から招いた講師によって伝授され、作るようになったものである。
  10、ゲンロク笠(元禄笠・市女笠ともいう)
平安中期以降、主として上流婦人の外出用とされたものというが、当地では、主に雄勝町の小野の小町塚祭りの七小町娘用に使われてきた。
最近は「あきたこまち」(稲の新品種)のポスターに使われてから、方々より注文が多くなった。
この笠は非常に優雅であるが、頂部に巾子という突起があるため、骨折りや縫方に高度な技術を要し、一蓋作り上げるのに三日もかかるものである。
  11、サンド笠(三度笠)
顔がかくれるほどに深く作った菅笠。
昔、三度飛脚が使ったというが、今は、村祭りなどの素人演芸用に求めに来る。
  12、フジ笠(富士笠)
この笠は、型が富士山の形に似ているのでこの名がある。いく分小型で、主として陽笠用として、登山及び農作業にも使われる。
テッペンツギ・ヘリツギをつけることが多い。晴雨両用に便。
  13、アサガオ笠(朝顔笠)
この笠を横向きにすると、朝顔の花の形をしているのでこの名がある。
用途は富士笠と同様であるが、形がエキゾチックのためか、昭和四十三年には、スイス・イタリア(ミラノ)へ一五〇蓋も輸出された。
    14、マンジュウ笠
まんじゅうの形のように盛れているのでこの名がある。昔のクマガイ笠のやや小型のもので、道中笠に使用されたようであるが、今は三度笠と同様に踊り用に使われることが多い。
    15、ヘルメット笠
ヘルメット型の笠で、防暑用となり、登山用または農作業、特に動力農機等の運転時に便利で使用されている。
特にこの笠骨が丈夫なため、菅部が破損してもまた新たに縫い変えて使うことができる。  この笠は、菅笠中最も新型である。
  16、ハナ笠(花笠)
これは、山形県の有名な花笠音頭に用いるもので、昭和五十五年以来契約注文により現在も三、五〇〇蓋の製作を続けている。  有名な花笠音頭の笠が当地のおばあさん方の作成によるものであることはあまり知られていない。

富山県の福岡町にも菅笠会館があります。
   http://www.shokoren-toyama.or.jp/~fukuoka/town/kanko/bunka09.html

 一方、四国遍路に出ますと、基本的な旅衣装として「菅笠」があります。お店やネットで販売されているのは、
 『つの笠(やま)』、『富士笠』があります。


 山笠           富士笠          すげ笠          網代笠

 どうやら、素材や形状での命名ですね。

 いつから、四国遍路の笠が『菅笠(すげがさ)』と呼ばれ、竹やヒノキで編んだものとして一般的になったの
 でしょう。弘法大師は、そのお姿から見ても当時の僧侶としても、網代笠だったはずですね。

 想像ですが、われわれ衆生が遍路にでるにあたって、当時からもっとも一般的に農作業や日常品としての
 雨傘日傘が、現在使用されている『菅笠』なのでしょう。

 遍路アイテムではありますが、宗教的意味はないものですね。しかし、共に遍路をした道具もすでに「同行二人」
 の象徴としてに意味が生まれてきます。

 菊水ヘンロのくしまさんは、ぼろぼろになった笠を、寺院の「とんど焼き」の時に焼いてもらって、供養したと
 聞きました。大事にしたいですね。