楽焼

  「楽 焼」
 私の泥遊びは20年になりますが、まだまだ食器の域を越えられなくて、陶芸までには至っておりません。
実は、「陶遊」の最新号で耐熱耐火煉瓦を使った簡易楽窯の記事が出ていましたので、早速耐熱耐火煉瓦を購入して楽焼をしてみようと思っております。先日から赤楽茶碗を焼成しようといくつか作りました。暖かくなったら焼成しようと思っております。
秀吉ではないのですが、私はどちらかというと赤楽が好みです。確かにもろく割れやすいことは事実ですが、熟柿のような赤い色を出すことが夢です。飴楽であればべっ甲飴のような色が目標です。
さて、重さのことですが、長次郎の茶碗はどちらかというと小振りです。私も小振りが好みですので、小振りの茶碗について説明したいと思います。口径11cm、高さ7〜8cm、重さは300gまででしょうか。
まず成型ですが、粘土の塊は大体500gから作ります。楽さんのように手捏ねの場合は、丸い板の上に粘土を乗せてテーブルの上で回しながら形作っていきます。外側の形を整えていきます。形ができたら、少し乾燥させますが、乾燥しすぎると削りが難しくなるので、気を遣います。手で持って形が崩れないくらいの固さになると、まず周りの指跡を竹や松木のヘラで削りながら消していき形を整えます(金属のへらで土を削ると、削り後が鋭すぎるそうです)。
その後、高台をけずり出していき、高台を整えていきます。高台ができたら、横から見て、大体の正面も決め、裏返して陶印を押します。これで50gぐらい軽くなります。
次は、中の削りに入ります。手の平で茶碗を横に支えて、中を丁寧に削って(土を削りだして)いきます。この時、口より1cmは削らず残します、理由は見た目の厚みをもたせるためです。手で持って、見た目と重さとのバランスが大切ですので口辺は削らない方がよいようです。中を削るのも、外側も本当は竹を曲げた竹カンナで削るのが良いのでしょうが、私は市販の鉄製の丸いカンナを使っています。削っていくと、薄くなって手がカンナを感じるようになったら(何回か作ると感触がわかるようになります)大体削りあがりということになります。それ以上削ると穴があくことになるので注意が必要です。底に茶溜りを削りだして作るか、総茶溜りにするかは好みになります。これで大体350gになります。あくまで、見た目と重さのバランスをとりながらの削りとなります。黒楽や飴楽の場合は、このまま乾燥させて素焼きします。素焼きして、これで250gになります。
赤楽の場合は、この後赤土の泥化粧を生掛けをしますので、もう少し乾燥させます。高台を少し強くつまんでもつぶれない程度、舌で舐めて少し吸い付く程度に乾燥させます。乾燥が足りなくても、乾燥しすぎても赤土の泥化粧でくずれてしまいますので、ここでも神経を遣います。30分経って崩れていないとほっとします。乾燥させれば300gになります。
画像左は、赤楽素焼き前の画像です、赤楽の泥化粧後乾燥させた画像です。300g
画像右は、赤楽の素焼きの画像です。口径は11cm高さ8cm、重さ250g
素焼きはできれば、1,000℃位ですれば、丈夫な茶碗が出来上がりますが、他の作品と一緒に素焼きするのであれば、800℃ということになります。
そのあと本焼焼成に入ります。
その前に、釉薬を掛けるのですが、楽焼用粉末釉薬を少し薄く水で溶かして筆で塗っていくと良いようです。3回位塗ると変化が出て面白い焼き上がりになるようですし、筆で数回塗ったことが焼いても分かるそうです。私は、ばさっと中も外も釉薬を掛けていましたが、それでは変化が少ないようです(いわゆる景色がでないということのようです)。
焼成は釉薬を十分に乾燥させないといけません。焼成する時、茶碗の部分的温度差が割れを招きますので、高台を乗せる台は冷めたものを使います、火の中に台を乗せてすぐに茶碗をおくと失敗がありません。
赤楽は還元焼成をしますので、窯の蓋を閉めないといけません、黒楽と飴楽は酸化焼成でかまわないので、蓋を開けたままで焼成してもかまいません。
茶碗の表面がてらてら光ってきたら釉薬が溶けたということですので、タイミングを見計らって火バサミでつかんで外に出します、水につけないで置き冷ましで十分です。
黒楽のしっとり感を出すには、引き出した後水につけて冷ますとしっとり感が出るようです。
本焼き焼成の時は必ず手袋をして扱います。こまかい溶けたガラスの筋で手をきれいに切ることがありますので注意が必要です。これが楽茶碗の成型と焼成手順です。参考にしていただければ幸いです。   2008/4/8