
【根来塗(1)】
以前から欲しかった根来塗のお椀を最近手に入れた。
根来塗の第一人者であった、夏目有彦氏(故人)の子息である夏目陽介氏の
デビュー展が昨年9月にギャラリー堂島で開かれた。日常遣いのお椀があればと
見に行ったが、その時は丁度良い大きさのお椀がなくて、丁度居合わせた陽介氏に
依頼したものが、昨年暮れにできあがってきた。思ったより漆がなかなか
乾燥しなくて時間がかかったようで、出来立てのほかほかという感じだった。
直径が15pで大きいように見えるが、見た目よりは分厚く量的にはあまり入らない。
汁物椀として毎日使用している。
故夏目有彦氏の塗り物は、欲しくても高価で手に入れることができなかった。
なくなる直前の個展で、拭き漆の菓子皿しか購入できなかった。
今回は一客28000円、5客で14万円だった。高価に思えるが、百年近く
使用できることを考えると、値打ちものだと思う。これから使えば使うほど
朱色が鮮やかになり、下地の黒漆が出てきて「根来塗」らしさが
でてくるので楽しみにしている。

【根来塗(2)】
これも前から欲しかった根来塗の蓋付きのお椀である。
2代目村瀬治兵衛氏の作品である。
初代が、木曽の材木をもてるだけもって名古屋から東京に移って、茶器を中心に
木地から塗りまでの全工程を経て、用の器を制作していることは、知る人ぞ知るである。
村瀬漆は、我が家ではこれまで拭き漆の栗の「茶托」(大小2種類ある)を使っていた。大変に丈夫で
孫が投げたぐらいではびくともしない品物だ。この茶托を、
我が家では茶托としてはもちろん、菓子皿として、小皿として日常使っている。
さて、一昨年暮れのギャラリー堂島の「暮れの食器展」で、村瀬治兵衛氏の
蓋付きの大椀を見て、欲しいと思った。
根来塗りである。直径が16pで豪快な作りで、一目で気に入ってしまった。
いくら気に入っても、お金との相談となる。一客9万円で5客で45万円、
鮹から草のなます皿の一客4万円の倍以上である。清水の舞台から飛び降りるような
気持ちで購入した。
使うこちらがやや気後れして、日常使いとは使えなく、
正月三が日の雑煮椀に使って、日常はしまっている。本当は、夏目陽介氏の
お椀のように、毎日使うことで根来の味が出てくるのだろうが、
使い切れていないのが残念である。夏目氏のお椀同様、これから使えば使うほど
朱色が鮮やかになり、下地の黒漆が出てきて「根来塗」らしさが
でてくると思われるので楽しみにしている。