
【赤 絵(1)】
赤絵は、一度本焼きをした後、その上に赤の上絵の具で画いて800℃から900℃で焼成する。
器を手で触ったりするので、手の油が付着して絵の具をはじく事があるので、私の場合は手袋をして
器をよく布で拭いてから画くことにしている。場合によっては、画く表面に薄いゼラチンを塗って画くこともある。
上絵の具は、作成している会社によって色の出方はさまざまである。有田系と九谷系とがあり、
洋絵の具と和絵の具にも分けられる。
小さい乳鉢でよく擦る必要がある。私は、色の数だけの乳鉢を用意して使用するときに、少しずつ
水を入れて擦っている。一頃すりガラスに絵の具を載せてガラスの乳棒で擦っていたが、
ガラスを片付ける場所がないために、乳鉢にした。
上絵は色によって温度が異なるので、一番高い赤を最初に焼いて、その後低い緑を焼いていく。
だから、一つの作品を上絵で何回も焼くことがある。手間暇がかかるということだ。
この作品はモデルがある。山代温泉にある菁華窯の先代の須田菁華の茶碗が、骨董市で偶然
目にとまり手に入れた。九谷の赤と緑、絵の縁取りが黒の赤絵茶碗である。箱がなかったので
格安の3万円だった(箱があれば10万はくだらないだろう)。その茶碗がモデルである。
私が毎日の晩酌に使用している赤絵のぐい飲みは、先代の須田菁華の弟子の正木春蔵のもので
毎日お酒をおいしくいただいている。
下の鉢は網目の染付けである。これは、コバルトを調合した「呉須」という絵の具を素焼きの器に画き
、その後1270℃で本焼き焼成したものである。慣れればフリーハンドで画けるが、普通は鉛筆か
デッサン用の木炭で当たりをつけて画いていく。計算をしながら画かないと最後につじつまが合わなくなる
ので出来上がりを想像しながら画いていく。